社長コラム

日本建築の伝統美、第三弾は蔵(土蔵)のお話をします。

蔵と言えば、一般的にイメージされるのは土蔵です。

土蔵は優れた防火機能を持ち、江戸時代に日本全国に広まりました。

土を何層にも塗った土壁は、厚みが20cm~30cmほどにもなり蔵の

中を火から守る役割を果たしています。

窓や入口の扉にも工夫が見られます。扉の周りは段をつけて漆喰

(しっくい)で塗り固めた、「掛子(かけご)塗り」。通常は開けて

おきますが、いざ火事の時、扉を閉めると掛子塗りの段が重なり

合って、どんな小さな火の粉も蔵の中に入れません。大切なものを

火事から守る蔵には、各所に様々な工夫が隠されているのです。

土蔵造りの外壁仕上げに「なまこ壁」というものがあります。目地の

白い漆喰部分の盛り上がりが海にいるなまこを連想させる事から

名前がついたそうです。白と黒のコントラストが、

どこかモダンな感覚を醸し出しています。なまこ壁の黒い部分は

平瓦(ひらがわら)という正方形の平らな瓦です。

もともとは寺院などの床に敷く平瓦を壁に並べて貼り付け

白い漆喰で固めることでなまこ壁の特徴的な幾何学模様が

生まれました。なまこ壁が生まれた理由は、実は蔵の軒下に

隠されています。火事が起きた時、軒下には熱がこもりやすく、

もっとも燃えやすい場所になります。その為、蔵の軒は出来るだけ

短くする必要がありました。一方、軒を短くすると、雨が直接あたって

壁が傷みやすくなる為、耐水性に優れた瓦を貼って、壁を保護しようとしたのです。

一本一本手間をかけて高く盛り上げて塗られた目地はなまこ壁に

立体的な表情を与えています。

蔵独特の整然とした幾何学模様は機能と一体になったデザインなのです。

その他、地域ごとに独特の蔵のデザインがあります。

蔵は単なる防火機能に優れた倉庫ではありません。

富やステータスを象徴する建物でもあったと思います。

しかし現代では維持管理に費用が掛かる為、所有者は大変苦労されている

と思います。

でもやっぱり日本の伝統建築は美しい

「盛夏お見舞い、この暑さ年々こたえる、今日この頃。」
今月は、「日本建築の伝統美」は夏休みを頂き、夏バテ解消になるような話題にします。

先日、食道の恩師より京都料亭の「鴨南蛮」を頂き、早速食し
その上品な出汁と鴨とネギのまさに最高のマッチングに、
食わず嫌いだった私は、感動すら覚えたほどです。
日本料理の奥の深さを改めて思い知らされました。

とかく夏場は食欲が減退します。
そのため、栄養バランスが崩れ、体力が低下し「夏バテ」を招く事になります。

対策は、きちんと食事を取ることです。(当たり前!)
汗をよくかくこの季節には、水分の多い夏野菜がピッタリです。

いわゆる旬ものは、値段も手頃で、栄養もぎっしり詰まっています。
トマト、きゅうり、なす、瓜、枝豆。私の好きな野菜ばかりです。

日本には、四季があり旬ものもバラエティに富んでいます。

季節の移ろいを楽しむ「走り・旬・名残」と同じ食材でも
出始めた「走り」食べ頃の「旬」
旬が過ぎてそろそろ終わり、という食材を惜しむのが「名残」です。

去りゆく季節を惜しみつつ次の季節の「走り」を楽しむのです。

同じ季節に出回る旬の食材で、料理の相性が良い組み合わせの事を
「出会いもの」といいますが、
たまたま同じ時期においしくなる食材を出会わせて、
それぞれの美味しさを引き出します。

春の若竹煮、冬のブリ大根、
夏はエビ+冬瓜、イカ+小芋、ハモ+梅干し、ウナギ+ナスなどがあります。
冒頭で述べた鴨+ネギも当てはまると思います。

食材も人も「出会う」事で、より高めあう事が出来るのです。
「出会いもの」を食べてこの夏を乗り切りましょう!

 

季節はずれの台風(8号)が日本列島を直撃しました。

幸い大阪は、大きな被害もなく、大雨は梅雨明けを前倒してくれそうです。

いよいよ本格的な夏を迎えようとしています。

前回に続き、日本の伝統美、瓦のお話をします。
天平時代に葺かれた瓦が現代まで、残っている(一部)のは、驚きの一言です。
こんなに永く持ちこたえるには、訳があるはずです。

瓦の作り方を説明しましょう。
粘土の素地を1100℃の高温で、焼きしめます。
この時、すすを吹き付けて、銀色にするのがポイントです。
いわゆるいぶし瓦です。

表面は、100分の1ミリの薄い炭素の膜で覆われています。
この膜は、水をはじき雨を防ぎます。実はこの膜が、酸化したり、はがれたりすることで
瓦の色が変化するのです。

かつて瓦は、松の木の煙で薫されました。
昔、手作業で、良質の瓦を作るには高い技術が必要とされました。
良いいぶし瓦は膜がはがれても、炭素が中まで浸み込んでいる為、長持ちします。
そして時を経るごとに深い色へと変わっていくのです。

奈良のお寺には、天平から現代まで様々な時代の瓦が並んでいます。
それぞれの時代によって微妙に色が異なり屋根全体がまだら模様に見えます。

私のお勧めは、東大寺の法華堂と新薬師寺です。
奈良時代の瓦が今でも500枚ほど残っています。
その後、鎌倉・室町・江戸そして昭和に至るまで、まだら模様の瓦屋根は、
悠久の時が生み出した日本の美なのです。

今年の梅雨は予報では長くなるらしい!
雨が続くとお客様の家は大丈夫かなと心の片隅に心配の種が一粒、
あっちへコロコロ、こっちへコロコロしています。

日本家屋の伝統の美しさ第三弾は、「屋根瓦」です。
家を風雨から守るのはもちろん、伝統的な日本の美しい町並みを作り上げてきました。
瓦は土地の気候風土とともに発展してきました。

日本海に面した島根県江津市は釉薬をかけた赤い石州瓦で知られています。
山陰地方の寒い冬でも凍結することがない丈夫な瓦です。
古い商家が軒を連ねる滋賀県近江八幡。琵琶湖のきめ細かい土を使った
「八幡瓦」は美しい光沢が豪商たちに好まれました。

それではここで、瓦の歴史をひも解いてみましょう。

瓦に関する最初の記録は、日本で最も古い歴史書「日本書記」の中にあります。
崇峻(すしゅん)天皇元年西暦588年、4人の瓦博士が寺院を作る為
朝鮮半島の百済から遣わされたと記されています。
瓦博士は瓦を形成する技術、高温で焼きあげる技術、
そして瓦を規則正しく屋根に葺く技術を日本にもたらしました。

その瓦博士が作った瓦がなんと今も使われています。
奈良市内にある「元興寺」(昔は飛鳥寺とよばれていました)の屋根。

黒い瓦にまじって赤くみえるのが日本最古の瓦です。
いまだ現役なのには驚かされます。
瓦屋根は、百年ほどで葺き替えられますが、傷みの少ないものはそのまま残されます。
最古の瓦は千四百年もの間、建物をまもり続けてきたのです。

奈良時代以降、瓦はお寺やお城などに使われてきました。
民家に使われるようになったのは江戸時代の中頃です。
幕府は度重なる大火から町を守る為板葺きをやめて瓦葺きにするよう奨励しました。

そうして日本各地に瓦屋根は広まったのです。

続きは次回で・・・梅雨の期間は長くともカラ梅雨であってほしいものです。